2010年02月12日

【新・民主党解剖】第3部 沈黙の帝国(上)不起訴で「盛大な前夜祭」(産経新聞)

 「鬼は外、福は内!」

 民主党幹事長、小沢一郎の不起訴情報が永田町を駆けめぐった3日夜、東京・赤坂の衆院議員宿舎の食堂は、ときならぬ熱気と喧噪(けんそう)に包まれていた。着ぐるみで赤鬼、青鬼にふんした議員に、小沢と首相、鳩山由紀夫の「お面」をかぶった女性議員ら。民主党議員30〜40人が集まり、節分の豆まきに興じたのだった。

 「大変な時期だからこそ党内の結束を固めたい」

 呼びかけ人の一人はこう語る。会合はやがて飲み会となり、文部科学相、川端達夫も顔を出した。2次会も開かれ、「ちょっとふざけすぎたかも」(1回生議員)と声が出るほどの盛況ぶり。さながら事件が小沢本人に及ばなかったことを祝う「前夜祭」となった。

 だが、すでに小沢の元秘書の衆院議員、石川知裕らの起訴は確実視されていた。本来ならば、もっと事態を深刻に受け止めるのが普通だろう。ところが、民主党ではそうはならない。

 1月末には、東京・小菅の東京拘置所に勾留(こうりゅう)中の石川に対し、当選同期(2回)議員を中心とした33人の議員が署名した激励文を届けた。そこには、こう記されている。

 「必ず戻ると信じています! 待っているぞ!」

 石川は東京地検特捜部の調べに対し、政治資金収支報告書に故意に虚偽記載したことを認めている。その罪状を軽視し、無邪気に「待っている」と書く議員らが国会を闊歩(かっぽ)している。

                   ◇

 ■神妙一転…「オシッ!」

 民主党幹事長の小沢一郎は4日は朝から夕まで東京・元赤坂などの個人事務所にこもっていたが、自らの不起訴処分が決まると党本部に姿を現した。

 「私の政治団体に関することで国民、同志の皆さんにご迷惑、ご心配をおかけしたことを心からおわび申し上げます」

 小沢は神妙な面持ちでこう語った後、部屋を出際に「オシッ!」と右拳を上げた。この後、東京都世田谷区の自宅にほど近い居酒屋に秘書らと立ち寄った。「祝杯ですか」という記者の問いかけには無視を決め込んだ。

 ◆天の声で中止

 この日、急遽(きゅうきょ)取りやめとなった会合がある。取り調べの全面的な録音・録画を目指す民主党の「可視化議連」だ。この日は法務官僚を呼んで2回目の会合を開くはずだった。

 「天の声だよ。起訴されなくなったから、もうやる意味はないということだ。そもそも(可視化を嫌がる)検察に圧力をかけるのが狙いだったから…」

 メンバーの一人は率直に明かす。党所属議員は、小沢の手のひらの上で好きなように転がされる存在のようだ。

 もっとも、小沢が在宅起訴処分になるとの見方が強かった先月31日には、小沢と距離を置く議員から、小沢の進退に言及する発言が火を噴いた。

 「新たな局面が生まれた時は、われわれも厳しく自浄能力を発揮していかねばならない」(国土交通相の前原誠司)。元政調会長の枝野幸男や財務副大臣の野田佳彦も、それぞれ小沢続投を牽制(けんせい)してみせた。

 だが、こうした反撃ののろしはたちまちかき消える。前原は3日夜に小沢の幹事長続投容認を表明。野田は4日の記者会見で、小沢が説明責任を果たしているかに関し「努力はされてきた。スピーディーになった」と評価し、恭順の意を示した。

 ◆けじめになる日

 小沢周辺は「前原、枝野、野田らは小沢批判の前日に集まり、打ち合わせた上で進退発言をしたようだ。おそらくどこからか『小沢は在宅起訴となる』という情報が入ったのではないか」と打ち明ける。

 そうだとすると、前原らは誤情報を基に決起しかけ、慌てて軌道修正を図ったということになる。

 「真実は一つ。小沢幹事長を信じていると終始言ってきた。きょうは一つのけじめになる日かと思う」

 小沢に近い参院議員会長の輿石東は4日の記者会見でこう強調し、問題は解決したとの認識を示した。党内の多数派を占める小沢シンパは勢いづいている。

 議員グループ「一新会」に所属する議員約25人は4日昼、国会にほど近い筆頭国対副委員長(一新会事務局次長)、松木謙公の事務所に集まった。一新会は熱烈な小沢支持者が多く、政治資金規正法違反の罪で起訴された石川知裕を支援するため、メンバーから各1万円を集めもした。「徹底的な捜査で潔白が証明されたわけだから、参院選もこれで戦える」。集まったメンバーは口々に安堵(あんど)の声を漏らした。

 ◆まるで民主集中制

 「何もモノが言えないような民主党ではない。明らかにつくられた虚像だ」

 首相の鳩山由紀夫は4日の参院決算委員会でこう述べた。1日の衆院代表質問への答弁でも、次のように強調していた。

 「民主党は選挙を経て代表を選出し、代表が幹事長ほかの役員を選任する。健全な党内民主主義を貫いていて、幹事長が党や政府を支配することは一切ない」

 だが、実際には小沢に逆らったり、諫言(かんげん)したりできる議員はまずいない。民主党の最高実力者が、小沢であることを疑う国会議員もいないはずだ。

 いったん指導部(者)を民主的に選んだら、後はその決定に無条件に従い続けるという民主党の現状は、レーニン主義を引き継ぐ旧ソ連、中国共産党などの「民主集中制」にそっくりではないか。

 小沢自身が昨年12月に訪中して国家主席の胡錦濤と会談した際、中国人民解放軍を念頭に置いて「野戦軍の最高総司令官として(日本)解放の戦いに徹していきたい」と述べている。

 不起訴になっても小沢をめぐる政治資金疑惑がすべて解消されたわけではないが、党内の小沢支配はますます強化されかねない。

 「起訴された小沢さんの元秘書らは、別に自分の収支報告書に虚偽記載したわけではない。親の責任を子がかぶるような話だ」

 民主党衆院議員、村越祐民はこう明言した。だが、実名で小沢を批判する民主党議員はほかにはもういない。

                   ◇

 小沢の資金管理団体をめぐる政治資金規正法違反事件で、結局、小沢自身は起訴を免れた。この“朗報”に、党内では、小沢を支持する議員らが勝ちどきをあげる一方で、多くの議員は事件の深刻な影響から目をそらすように白々しい沈黙を保っている。軽薄さと重苦しさが奇妙に入り交じる「小沢帝国」の現状をリポートする。(敬称略)

<新衆院議員会館>「小沢系」「非小沢系」部屋割りくっきり(毎日新聞)
石巻の民家で3人刺され女性2人死亡 少年が少女連れ去る(産経新聞)
<アホウドリ>ヒナ15羽、鳥島から移送(毎日新聞)
不安解消ならず=具体策乏しく、逆効果の声も−トヨタ社長会見(時事通信)
<派遣法改正>通訳など専門26業務も 首相(毎日新聞)
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2010年02月09日

2けた九九・英語…インド式教育じわり人気(読売新聞)

 高度な暗算、コンピューター、英語……。国内の外国人学校で「インド式教育」を学ぶ日本の子供が増えているという。どんな魅力があるのか。

 「12×12=」。日本人の児童が図形の面積をすらすら解いて示すと、クラスメートから拍手が起きた。1月28日、グローバル・インディアン・インターナショナル・スクール(東京・江戸川区)の小学6年生の教室。

 幼稚園から高校段階まで教える同校は、幼稚園で足し算引き算、小学生で2けた同士のかけ算の暗算やコンピュータープログラミング、ヨガなどを学ぶ。授業はすべて英語だ。小学3年で3けた同士のかけ算を解く児童もいるという。

 2006年7月に在日インド人向けに開校したが、日本人がじわじわ増え、今では全校児童・生徒224人の2割以上を占める。川崎市から通う女児(12)は、「最初は数学の難しさや宿題の多さにびっくりしたけれど、色々な国の友達ができて楽しい」と明るく話した。母親(46)は、「子供には英語を早めに習得してほしかった。インドの学校は学費が安いのも魅力」と打ち明けた。

 近年、経済成長が著しいインド。数学やITが強い、というイメージが強いが、こうした教育に成長の秘密がありそうだ。ラジェシュワリ・サンバトゥラージャン校長(50)は、「授業では発表時間を積極的に設け、自分の意見を言える子を育てている。道徳教育にも力を入れている」と強調する。

 インド式の学校は東京都内に少なくとも3校。このうち、三鷹市などで幼稚園や小学校を運営する「リトルエンジェルス学園」でも03年の開校以来、日本人が増え続け、現在は児童の8割を占める。

 ただ、都私学行政課によると、3校はすべて学校教育法上の学校にあたらない「無認可校」。このため、卒業しただけでは日本の大学などに進学できない。また、小中学校は義務教育のため、インド式の学校に通っていることを理由に日本の公教育を受けないと、「就学義務違反になる恐れがある」(文部科学省)という。インド式学校で高校段階まで過ごした日本人の多くは海外の大学を目指すのだという。

 それでもこれほど人気が集まる理由は何なのか。

 神奈川県内で9教室を展開する学習塾「学心塾」(本部・平塚市)が、小学生に99×99までのかけ算を暗記させるなどの「インド式算数」を取り入れたのは02年のこと。以来、児童の国語や英語の成績も算数同様にアップした。同塾の中本豊明本部長は、「インド式では色々な計算法を学ぶため、頭が柔軟になるのでは」と話す。

 インド式教育に詳しい芳沢光雄・桜美林大教授(数学・数学教育)は、「論理的思考力が問われる記述式の大学入試があるなど、インドではレベルの高い教育が行われている。インドの学校に通わせる保護者の多くが日本の公教育に物足りなさを感じていて、学力低下への不安が結果的にインド人気につながっているのでは」と分析している。

 (滝沢孝祐、福田麻衣)

司法書士、依頼者の金着服=過払い返還金など1000万円−富山(時事通信)
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「これ以上の説明はない」=規正法違反、石川議員の辞職に否定的−小沢氏(時事通信)
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